5時から作家塾

第3章 書店の謎

◆なぜ大きな本屋には英会話教室勧誘のお姉さんがいるのか?

 例えばKとかAのつく超大手チェーンの大型書店に、「英会話教室の勧誘のお姉さん」がいらっしゃるのを見かけた方は多いと思います。そして中には不幸にもロックオンされてしまい、「いかがですか〜?」などと引きずりこまれそうになってしまった方もいらっしゃいますでしょう。

 しかも、彼女らはあろうことか、書店の出入り口前やエスカレーターの付近で「獲物」を狙っております。まさに蟻地獄状態。蛇ににらまれた蛙のごとく、及び腰にてその「関所」を通過しようものなら、
「英会話に興味はございますか〜?」
 などと勧誘攻勢にあってしまうのは必至でございます。ここで、ホンの少しでも曖昧な態度を取ってしまうともはや相手の思うツボ。逃げ出すタイミングを完全に見失い、あわれ次のステップへ……。

 私はよく某大都市に行った際、K系列の書店に行くのですけれど、毎回毎回この勧誘のお姉さまには辟易させられます。
 エスカレーターでその書店のフロアに近づいております。だんだん書店のフロアが眼下に広がってまいりました。そして次の瞬間に私の目に飛び込んでくるもの……。それは……、英会話教室のお姉さん。
 あ〜ぁ、また今日も彼女は満面の笑みを浮かべ……。私は心の中で「くわばら、くわばら」と唱え、体も表情も硬直したままその関所を通過するのでございます。
 このように、書店への道が1ルートしかない書店の場合は、その難関を何事もなく通過する術を身に付けなくてはなりません。

 ・完全無視
 ・「けっこうです、急いでますので」と足早に通り過ぎる

 このいずれかがよろしいのではないかと。さらには「ネイティブな英語で切りかえす」なんつう力ワザもございますが(使用する側にそれなりのスキルが必要)、しかし、平常心を装い無事にその前を突破するも、多大なストレスがかかるのはどのみちマチガイございません。このような書店には自然と足が遠のく方も多いのではないでしょうか? どうやら英会話教室の勧誘に場所貸ししている書店には、それ相応のバックがあるのでしょう。大手書店の資金確保の手段の一つとして、そして英会話教室としては「書店に来るお客様=勉強熱心。営業するにはこれ以上ない効率のよい場所」という利害の一致の結果が、一方通行の出入り口前での
「英会話に興味ありますか〜?」
 となって現れているのでございます。
 が、その書店は目先のバックよりも大きな売上・お客様を失っているように思われてなりません。

 ちなみに、私の書店では「ロックオン」されることはございませんのでご安心を。

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