第14回 (締め切り/2004年5月31日)
ここ数回、応募企画書のレベルが徐々に上がってきている。比較的よく構成が練られたもの、当人ならではものが多く見受けられる。ここのところ、現役の医師や保育師、士業など、応募者の職業にお幅が出てきたからかもしれない。
近々、新連載を1本予定しているので、こちらも愉しみにして欲しい。【田】
『生保業界ア・ラ・カ・ル・ト』
ペンネーム
水城 郁
寸 評
タイトル――生保業界ア・ラ・カ・ル・ト、サブタイトル――採用・仕事のアレコレ教えます、ともにバツグンである。「アラカルト」「アレコレ」の語呂がいい。
就職講座を各大学で開講している小生だが、生保就職希望学生は、意外に多い。生保への就職にあまり関心のない人間でも、生命保険に加入している人間なら、「ちょっと読んでみようか?」という気にさせるコンテンツ(目次)である。
さて、著者の肩書きをどうするか? だ。社会保険労務士だと固いので、タイトルのテイストに合わせて、「カリスマ生保業界アナリスト」「××生保研究所所長」などとしても良いだろう。期待できる1冊である。また、年度版、改訂版にもできる、おいしい企画でもある。【沢】
『女性の敵、痴漢・セクハラ完全対抗マニュアル』
ペンネーム
七菜子
寸 評
セクハラ裁判経験者の女性が、セクハラ被害に遭った現場での対処方法から、法的な対応方法、費用までをガイドしようというもの。構成は大きく「痴漢編」と「セクハラ編」に分かれているが、「痴漢」のほうは判例紹介程度にして、「セクハラ闘争(裁判)」に的を絞ってはどうだろうか。というのも「痴漢」に関しては、『痴漢犯人生産システム』など冤罪ものが売れドラマにもなっているが、「セクハラ」に関しては、企業側視点の防衛論は多いものの、被害者によるドキュメントなど”被害者女性の視点で”書かれたもの、かつ裁判に勝った例は稀少だらだ。また、誤解を恐れずに言えば、単なる「痴漢行為」に較べて、権力関係や雇用関係の絡む「セクハラ」のほうが、問題の根は深いと考えるからでもある。次回の【通過】に期待が持てる。【田】
『託児所ってどんなとこ?』
ペンネーム
宮田和代
アドバイス
幼児虐待が問題視される今日、サブタイトルの「託児所は本当に危険なところなのか?」という問いかけには、大きなインパクトがある。
ただ、企画意図に「(諸問題の原因の)ヒントが隠されているように思えてならない」とあり、このことが漠然とした感じを与えている。
また、「現代社会のあり方を探る」という企画意図は、テーマが大きすぎ、しかも託児所からは少しずれている。もっと、託児所そのものに焦点を絞れば、説得力のある作品になるはずだ。【畑】
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